スゴモロコ属の魚
スゴモロコ属の魚
体型比較
スゴモロコ属の魚はカマツカ亜科に属し、名前に“モロコ”とつくがタモロコなどが属するバルブス亜科やカワバタモロコなどダニオ亜科の魚とは類縁関係は遠い。スゴモロコ属の魚は国内にはコウライモロコ、スゴモロコ、デメモロコ、イトモロコが生息するが、このうちコウライモロコとスゴモロコは亜種関係にある。いずれの魚も形態が似ており区別は困難であるが、もっとも判別が容易なのはイトモロコで、体側の側線鱗が他の魚よりも著しく上下に長い(下図)。また吻がながく、頭部の背縁が盛り上がる。
コウライモロコ、イトモロコ、デメモロコを比べると、デメモロコはヒゲが短く、また体色は銀白色が強くてコウライモロコやスゴモロコで顕著な体側中央の暗色斑が成魚ではほとんど現れない(下図)。さらにスゴモロコやコウライモロコに比べると、頭部背縁の盛り上がりが大きい。コウライモロコとスゴモロコでは、スゴモロコのほうがよりスマートで吻端から背ビレ起点までの体部背面は直線的である。またコウライモロコよりも相対的に眼が大きく、吻がとがる。これに対し、コウライモロコは体型が太短く、吻は丸い。
側線鱗比較およびコウライモロコとスゴモロコの暗色斑
頭部とヒゲの比較