活動のご紹介「大阪府立環境農林水産総合研究所」
昆虫が未来をひらく・・・はず!
皆さんの生活でどうしても出てしまうゴミ。その中でも、近年注目を集めているのが「食品ロス」。本来は食べることができるのに捨てられてしまう「食べ残し」や「調理くず」などのことです。
「食品ロス」の発生量は全国で年間643万トン(農林水産省・平成28年度推計値)。大阪府では、金額に換算すると年間約7.56億円の食品ロスが発生しています(大阪府・平成30年11月調査・推計値)。
大阪府は全国でも有数の大消費地であり、食品ロスの削減について真剣に取り組む必要があります。
環農水研では、「食品ロス」をゴミではなく「バイオマス資源」としてとらえています。
それをエサとして昆虫を生産し、家畜や養殖魚の 飼料原料などとして利用する技術を研究しています。
まずは、幼虫を増やすことから。
食品ロスを効率的に処理するためには、それを食べる幼虫を安定して生産する必要があります。
環農水研では、共同研究機関とともに、親となる成虫の飼育ケースの改良を進めるとともに、産卵数を安定的に増やすための最適な条件に関する研究に取り組んでいます。
また、食品ロス処理システムの最適化にも取り組んでおり、実際に社会で利用される技術として民間企業とも協力して研究を進めています。
エサとして、もっとよい「品質」を。
魚の養殖や、鳥・豚の飼育には、エサとして「魚粉」が使われています。この「魚粉」は、魚を乾燥させ砕いて粉にしたもの。国内で使用されている魚粉は、多くを輸入に頼っています。また近年、価格が高騰しており、生産者にとって大きな負担となっています。
環農水研では、幼虫を飼料原料として利用するにあたり、エサとしての「品質」を調査しています。
その成分を魚粉と比較し給餌試験を実施した結果、遜色ないことを確認しました。さらに、幼虫のエサとなる食品残さの配合を工夫することにより、よりよい「品質」を目指しています。
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大阪府立環境農林水産総合研究所 企画部 研究支援グループ
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