生物多様性条約締約国会議について(COP10)
生物多様性保全に関わる国の動き
生物多様性条約締約国会議について(COP10)
COP10の”COP”とは「Conference of the Parties」の略語で、国際条約を結んだ締約国の代表が集まる会議のことを示します。生物多様性条約の場合、第1回の締約国会議は1994年にバハマのナッソーで開催され、翌年1995年にはインドネシアのジャカルタで第2回会議、さらに1996年にアルゼンチンのブエノスアイレスで第3回会議が開かれました。
それ以降は、2年に1度の間隔で開かれています(第4回1998年;スロヴァキアのブラチスラバ、第5回2000年;ケニアのナイロビ、第6回2002年;オランダのハーグ、第7回2004年;マレーシアのクアラルンプール、第8回2006年;ブラジルのクリチバ、第9回2008年;ドイツのボン)。
もっとも近年実施された第10回締約国会議は、2010年10月にわが国の愛知県名古屋市において開催されました。これまでの締約国会議において、「生物多様性の損失速度を10年までに顕著に減少させる」という目標(2010年目標)が採択され、2010年に開催されたCOP10では、その達成状況についての検証がなされましたが、「目標は達成されておらず、生物多様性の損失は続いている」との厳しい評価を下されました。そのため、「生物多様性の損失を食い止めるため効果的かつ緊急に行動をとる」とした新たな目標(愛知ターゲット)の策定が行われました。また大きな課題となっている「遺伝資源へのアクセスとその利用から得られる利益の公正かつ衡平な配分」(Access to genetic resources and Benefit Shearing, 略してABS)についても、「利益配分のための地球多国間メカニズム 」や「ABSに係る国内法又は規制に関する厳守 」「遺伝資源の利用に係る監視 」についての取り組みを記載した「名古屋議定書」が採択されました。