大阪府立環境農林水産総合研究所

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水産/海洋生物に関するご質問

ウミホタルとはどんな生きものか?また、どこに行けば捕ることができるか?

公開日 2014年03月10日

 ウミホタル(Vargula hilgendorfii)は、節足動物甲殻綱介形虫亜綱(Ostracoda)ミオドコパMyodocopida(筋柄目)Cypridinidae(科)に属する日本固有種(日本にだけいる生きもの)です。簡単に言うと二枚貝のような殻を持ったミジンコです。介形類は海の昆虫といわれるほど種数の多いグループで、全世界から現生種約5,000種を含む13,000種以上が報告されています。
ウミホタルは名前のとおり蛍のように光ります。上唇腺という器官から顆粒状の発光物質(ルシフェリンとルシフェラーゼ)を分泌し、その青い光は日中の室内でも確認できるほどです。ただ、介形類の中でも発光する種はごく少数で、日本周辺の介形類で発光する種はウミホタルのほか、浮遊性種とされているトガリウミホタルなど、3種類が知られています。
大阪湾でウミボタルが生息するのは、大阪府側では岬町~阪南市の砂浜で、外海からの海水の影響があり、適当な潮流や波浪で沿岸の砂底や水質が良い状態が保たれている場所です。
ウミホタルは日中は砂底に潜り、夜に辺りが暗くなると砂から這い出て底層を遊泳し、死んだ魚などをみつけて肉にかじりつきます。採集にはこの習性を利用し、トラップで獲ります。ウミホタルの採集用トラップは、プラスチック製のねじ蓋付き円筒容器(ガラス瓶は割れて危険)を用い、その蓋に7mm程度の穴を蓮根状にあけ、瓶の首に15m程の紐をつけます。瓶の側面には叩いて平たくした鉛をビニールテープで巻き付けます(投げやすく、早く沈み、海底で横倒しになって安定する)。餌は魚肉ソーセージやカニかまぼこ(油が少なく扱いが簡単)、鶏レバー、イカ、魚肉などを用います。採集したウミホタルを餌と分離しやすくするため、餌は台所の流しのゴミとり網袋やストッキング地で包んで入れると分離が簡単です。採集は日没前に障害物の有無をしらべ、底質が砂地かどうかを確認し、投げる前に瓶にエサと海水を入れ、水に味や臭いを出しておくと、瓶も沈みやすく、採集時間が短縮されます。
 
多数集まって発光しているウミホタル
多数集まって発光しているウミホタル
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